わや、したっけ、しゃっこい、めんこい、やっこい、ちょす。

北海道弁として挙がるのは、だいたいこのあたりです。順に、めちゃくちゃ、そうしたら、冷たい、かわいい、やわらかい、さわる。「したっけ」は別れぎわの「じゃあね」にもなります。

函館はなまりが強いらしい

北海道の中でも、函館は特になまりが強いそうです。港町で、東北にルーツを持つ人がいるから、と説明されます。

言葉 意味
こったらもん こんなもの
はんかくさい ばかばかしい、みっともない
あだまいだ 頭が痛い

語尾には「〜だべ」「〜けや」が付きます。

「あだまいだ」は意味の話ではなく、音の話です。「あたまいたい」の清音が濁っていくと、こうなる。

こってこての方言は出てこなくなった

とはいえ、今の自分からこの手の函館弁が出てくることはほとんどありません。

小中学校は函館市立で、まわりは全員が函館の子でした。高校は全国から学生が集まる私立に行って、北海道の外の言葉を毎日聞くようになりました。大学で東京に出て、そのままです。

通じない場面が続くと、言葉は落ちていきます。

落ちなかったのはアクセント

単語よりも、アクセントとイントネーションのほうがしぶといです。

  • コーヒー
  • さくらんぼ
  • 歯磨き粉
  • 幼稚園
  • ハンカチ

このあたりで、たまに「違う」と言われます。自分では気づけません。文字にすると同じなので、直そうにも手がかりがない。

標準語だと思って使い続けていたもの

厄介なのはこれです。方言だと知らないので、警戒のしようがない。

言葉 意味
ねっぱる くっつく
うるかす 水に浸けてふやかす
おだる 調子に乗る、はしゃぐ
むりくり 無理やり
まるまんま 丸ごとそのまま
よしかかる もたれかかる

それから「〜かい?」。

風邪ひいたんでないかい? そろそろ帰ってくるんでないかい?

これは単語ではなく口調なので、いちばん自覚が薄いです。

「うるかす」は、方言だと知ったあとも困っています。「食器うるかしといて」を標準語で言うと「食器を水に浸けておいて」になる。長い。

あえて使い続けるもの

「〜さる」です。押ささる、食べらさる、ゆださる。

ボタンが押ささった、は「間違えて押した」ではありません。押すつもりがないのに押された状態になっている、ということです。自分の意志と、起きたことが切り離されている。

食べらさるも同じで、食べようと決めて食べたわけではないのに減っている、という状態を指します。標準語に直すと、そこが全部「自分がやった」に寄ってしまう。

責任をぼかす言い方だと言われることもありますが、実際そういう出来事はあります。ちょうどいい言葉が他にないので、これは使い続けます。

あとは「ぼっこ」。棒のことです。棒でも通じますが、ぼっこのほうが、そのへんに落ちている棒切れの感じが出ます。